セミナー「有限要素法の基礎」

セミナー「有限要素法の基礎」のご案内

                             2025.7月

 有限要素法の原理からプログラム作成まで基礎的な事項を丁寧に記述しました。有限要素法の定式化には主にリッツの方法(変分法)によるものとガラーキン法によるものの2つがあります。この2つは一般には一致しません。一致するのはラプラス(ポアソン)方程式の場合の領域積分の部分ぐらいで,境界条件がディリクレ型境界条件または自然境界条件(勾配=0)のときのみ一致します。一般のノイマン型境界条件(勾配≠0)はガラーキン法では自然に取り込むことができますが,リッツの方法では汎関数に境界条件に合わせた境界積分項を加える必要があります。
 ガラーキン法による定式化がより一般的で扱い易いのですが,有限要素法の原理を理解するには,変分問題,汎関数,オイラー方程式,リッツの方法という背景を示してから,有限要素法の特徴である区分的試行関数(いわゆるテント関数)を使った定式化に進むのがわかり易く,また歴史的経緯にも沿っていると思えるので, まず1次元の場合で詳細に説明した後に,2次元ラプラス(ポアソン)方程式を例にとってリッツの方法による定式化を説明しています。また,付録のプログラムの説明も合わせて行いましたので,形状関数,要素内積分,アイソパラメトリック要素,ガウス積分という実際のプログラム作成に必要な基本事項も詳細に記述しています。
 その次にガラーキン法について説明しています。リッツの方法による定式化は変分問題の汎関数が存在するときのみ可能ですが,重み付き残差法に基づくガラーキン法では汎関数が存在しない場合でも微分方程式が与えられれば定式化可能で,また境界条件の設定が容易です。リッツの方法(変分法)との違いも示しています。
 付録では,3角形座標(面積座標),弾性体の変形や流れや熱伝導の問題などについても簡単な説明を載せました。また,計算例として懸垂線の問題について詳しく記しました。
 本セミナーテキストでは解析事例は挙げていません。有限要素法の原理の理解と実際のプログラム作成のためのテキストです。メッシュ分割やソルバープログラムを使ったことがあって有限要素法について何となく知っているという方や,その理論を大体は知っているがもう少し詳細を知りたいという方にも興味を持って頂ければ幸いです。

テキスト目次

Ⅰ 変分問題
  【1】変分問題
  【2】オイラー方程式(オイラー・ラグランジュ方程式)
  【3】リッツの方法(直接法)
Ⅱ 有限要素法
  【4】有限要素法の原理
  【5】2次元ラプラス方程式の解法
  【6】2次元要素の形状関数とアイソパラメトリック要素
  【7】ガウス積分による要素内積分
  【8】プログラムの作成
Ⅲ ガラーキン法による有限要素法
  【9】重み付き残差法としてのガラーキン法
  【10】ガラーキン法による有限要素法
付録
  【付録1】懸垂線(微分方程式による解法)
  【付録2】2階微分を含む積分汎関数のオイラー方程式
  【付録3】2次元のグリーンの定理
  【付録4】懸垂線(有限要素法による解法)
  【付録5】3角形要素・面積座標
  【付録6】応力解析(2次元平面応力)
  【付録7】熱伝導と流れ(連続の式)の解析
  【付録8】2次元ラプラス方程式の有限要素法解析プログラム

詳細目次

テキスト抜粋

主催    : KR技術研究所
開催日時 : 未定(平日18:00-20:30,
             または土曜13:00-18:30)
開催場所 : 未定(横浜市 都筑公会堂など)

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